【インタビュー】音楽から建築へ―まるキャンが導いた挑戦の道・阿部良祐さん(野沢北高校卒/工学院大学建築学部 2年生)

コロナ禍で見つけた舞台 ― SAKUフェスとの出会い
高校時代は軽音楽部に所属していたものの、コロナの影響で発表の場がありませんでした。そんな中で出会ったのがまるキャン。「高校生企画!SAKUフェス!」に高校2年生のとき初参加し、ドラムを叩きながら音楽とまちをつなぐ経験をスタートさせました。
企画・運営に飛び込んで見えた景色
出演するだけでなく、バンド構成や順番決め、当日の司会進行、音響セッティングなどにも挑戦。コロナ禍でイベントが途絶えていた時期に、自分たちで一からイベントをつくり上げられたことはかけがえのない経験でした。準備段階では日程調整や企画内容に苦労もありましたが、仲間と協力し合いながら乗り越えることで、多くの人と一緒に「場をつくる」喜びを知りました。

他校の仲間と育んだ“協力の力”
まるキャンを通して他校の仲間と出会い、一緒にイベントを形にしていく中で「協力の仕方」を学びました。現在、大学で授業やサークル活動に取り組むときにも、意見をまとめたり、合意点を見つけたりする場面で大いに役立っています。人前で発表する場にも強くなり、昔は緊張しがちだった自分が堂々と話せるようになったのも、この経験のおかげです。

まるキャンプログラムが進路の”決定打”に
高校3年生のときに参加した「工学院大学建築学部&(株)本久~出張ミニ科学教室~」が進路を決定づけました。小学生のころに街づくりゲームから芽生えた建築への興味は一度薄れましたが、高校時代に再熱。そして工学院大学の教授や学生と交流したことで、「この大学で建築を学びたい」という思いが確信へと変わりました。
市役所へ直談判 ― 仲間と実現させたコラボ
忘れられないエピソードのひとつが、仲間と市役所に提案書を持ち込んだ経験です。バルーンフェスティバルとSAKUフェスをコラボさせたいと考え、交渉に挑戦。結果、夢は実現しました。高校生ながら自分たちの想いを形にできた瞬間は、大きな自信につながりました。

高校生と大人へのメッセージ
高校生のみなさんへ。
最初は「参加するのは大変そう」と思っていましたが、実際はとても楽しく、そして将来に直結する経験になりました。ぜひ勇気を出して参加してみてください。
大人のみなさんへ。
高校生に広い世界を見せてくれる機会をいただき、本当に感謝しています。私たちのアイディアを同じ目線で受け止め、信念を持って行動で示してくれた大人の姿は、今も心に残っています。高校生にとって、そして大人にとっても、まるキャンは出会いと学びの場だったと思います。
未来への展望と佐久への想い
現在は工学院大学で建築を学びながら、サークル活動や仲間との挑戦を楽しんでいます。将来は地元・佐久に戻りたい気持ちと、東京で日本全体に向けて挑戦したい気持ちが半々。けれど、どちらに進んでも「まるキャンで得た協力する力と挑戦する心」が、確実に自分の土台となっています。
小諸とのつながり ― 活動のフィールドを広げて
阿部くんは、まるキャンの活動にとどまらず、小諸ボランティアセンターの市民活動講座でも講師を務めました。佐久市だけでなく、小諸とも関わりを持ちながら活動することで、地域同士をつなぐ“架け橋”のような存在にも。地元での学びを小諸へ、そして小諸の経験を佐久へ還元する姿勢は、彼の活動の幅をさらに広げました。
(ライティング:まるキャン事務局・岩井 編集:まるキャン事務局・小島)